チタン用語集

チタン用語集

あ行

SP-700合金

超塑性合金 Ti-4.5Al-3V-2Fe-2Mo 合金の商品名。超塑性加工を 700℃で行えることから名づけられた。

イルメナイト

チタン鉄鉱とも言う。チタン鉱石の一つ。砂状または塊状で産し、チタンの主要な原料鉱石。硫酸法酸化チタンの原料として大量に消費される一方、金属チタン並びに塩素酸化チタンの原料としての合成ルチルの出発原料でもある。

α-β型チタン合金

略して、α-β合金とも言う。α相とβ相の二相で構成されるチタン合金である。α相安定化元素とβ相安定化元素とを同時に添加した組織で、結晶構造に依存する異なる特徴を同時に利用することを意図した合金である。

アーク溶接

空気中の放電現象(アーク放電)を利用し、同じ金属同士をつなぎ合わせる溶接方法。チタンのアーク溶接はTIG溶接・MIG溶接・プラズマ溶接がある。

圧延

回転するロールの間で材料を圧縮変形する事により厚み・幅・径等を小さくし、板や棒、線等を製造する加工。チタンは熱間圧延(ホット材)・冷間圧延(コールド材)が主である。まれに温間圧延を行うことがある。

アニール

焼鈍、焼きなましのこと。一定温度に加熱して成形によるひずみを除去する方法。

α‐β型チタン合金

略してα-β型合金ともいう。α相とβ相の二相で構成されるチタン合金。代表合金が、チタン合金総生産の約75%を占めるTi-6Al-4V合金である。

 

 

破壊に至らずに引き伸ばされる材料の性質。伸びや絞りがその指標となる。 熱間圧延のH(Hot)材と、冷間圧延のC(Cold)材がある。

一次溶解

一次電極を溶解して、二次電極として使用する鋳塊をつくる溶解のこと。スポンジチタン及びスクラップの原料に含まれる塩化マグネシウムや水素など揮発物質の除去及び組成の均一化が目的である。一次インゴットと称するが、組成の不均質があり表面及び内部に欠陥が多いので、消耗電極にして再度VAR法による溶解、すなわち二次溶解を行って、より健全なインゴットにするのが普通である。

医療器具

チタンは耐食性が良く食塩を3%含む血液の付着を避けることができ、その軽量さから長時間を有する手術の用具(ピンセットやメス等)、非磁性によりMRI等の磁場の環境でも使用が見込まれるので医療器具はチタンの大きな市場である。

薄板

厚みの小さい板。純チタンの薄板は冷延での製造が多い。(板厚が3㎜以上は熱延製造が多い。)チタン合金の薄板は、通常サンドウィッチのように重ねて熱間圧延を行い、研磨と酸洗で仕上げて作る。(β合金の薄板は冷延製造が可能。)

ELI材

Extra Low Interstitialの略。酸素・炭素・窒素・水素等のチタンを製造する過程で侵入してしまう元素の不純物量が少ない。高品位のチタン合金を表す語で、チタン分野独自の表現。

延性

破壊に至らずに引き伸ばされる材料の性質。伸びや絞りがその指標となる。試験片材料に力(荷重)を加えて伸長し続ければ、ついに破断する。破断するまでのひずみ(縦ひずみ)が大きいときを延性であるといい、非常に小さい場合を脆性(ぜいせい)であると言う。

温間加工

塑性加工の一つで、金属を常温より高く熱間より低い温度に加熱し形成する方法。加工力が小さくてすみ、寸法精度・品質の高い製品が得られる。チタンではこの温間加工を行うことが多い。冷間では加工が困難で、しかし熱間に加熱するほどでない場合に温間で圧延などの加工を行う。

か行

海水淡水化装置

海水を約120℃にまで加熱し、減圧したセクションに導入、沸騰・冷却を繰り返し、効率的に真水を得る装置。構造的に発電所内の復水器に酷似し、純チタン製の熱伝達管の中を冷たい海水を流し、その管外表面で水蒸気を冷却凝縮させ真水を得ている。

硬さ

金属材料の機械的性質の一つ。金属材料に、それよりも硬い物質を適当な荷重で接触させたときに生ずる痕跡の大きさで評価する。接触の方法には押込み・引っかき・反発の3方法があり、JISに規定されている硬さは押込みのブリネル硬さ、ビッカース硬さ、ロックウェル硬さと反発のショア硬さである。チタンでは通常ビッカース硬さ又はロックウェル硬さが使われる。

機械加工

切削工具や工作機械を用いて加工する事。切削加工・研削加工・研磨などさまざまな方法がある。旋盤・フライス盤・ボール盤・研磨機・NC工作機械・マシニングセンタなどの工作機械がある。

急冷凝固法

溶融状態の金属を特殊な性質を得るため急冷処理をする方法。

金属チタン

酸化チタンと区別して、金属材料としてのチタンを表す通称。酸化チタンは80%以上が顔料製造に利用され、スポンジチタンの製造に利用される割合は非常に少ない。顔料酸化チタンとの区別を明確にするためにこの名称が使われ、明記・区別されている。

クラッド鋼板

鋼板に他の金属を接着した合わせ板。 クラッド鋼板の製造方法としては圧延圧着と爆発圧着がある。 チタンクラッド鋼板は、チタンが鋼と比較し高価なので、 耐食性などのチタンの性能が要求される面をチタンとしたクラッド鋼板が、 化学装置・発電所復水器管板に多く使用されている。

クリープ

材料に、一定の温度のもとで、どの温度での降伏応力以上の一定応力が加わった状態がつづくと、時間と共に惰性変形が進行する現象。

クロール法

1936年にルクセンブルクのウイリアム・J・クロール博士が開発した冶金製造の製造工程。不活性ガス雰囲気にした気密性鋼製反応容器中で四塩化チタンをマグネシウムに滴下、塩素をマグネシウムと結合させて除去し単体のチタンを得る方法。この工程で得られた金属チタンがスポンジチタンと呼ばれている。

軍需品とチタン

高強度チタン合金が軍用機をはじめとする軍需品に使われている。高比強度・耐食性・軽量性・弾丸の耐貫通性などが評価されている。表面を硬化処理したチタン合金。防弾チョッキやヘルメット等も実用化されている。

形状記憶合金

形状記憶効果を示す合金。ある温度(変態点)以下で変形しても、その温度以上に加熱すると、元の形状に回復する性質を持った合金である。

健康グッズ

チタンテープやチタンネックレス等。体内の生体電流をを調整し、筋肉のもつ力を最大限に引き出し、筋力アップや痛みをとる効果があると言われている。肩こり等にも効果があると言われている。

研削研磨

材料の表面を砥石や布で削ったり磨いたりすること。研削は表面の異物を除去したり寸法を調整したりする為表面の除去量が多い。研磨は除去というより、表面処理の為に磨く。研削の表面粗度は粗く、研磨の場合は細かく滑らか。チタンの研削研磨は発熱を少なくする事が大事。(熱伝導率が悪い為局部的に熱されやすく焼き付きやすい。)冷却剤を十分に使用し、研削研磨速度を低くする。

コイル

圧延、又は伸線により製造してコイル状に巻き取ったもの。冷間加工や熱間加工で生成される。

高強度チタン合金

α-β合金(64合金)とβ合金(15-3-3-3合金)があるが、α-β合金の方が強度には、優れているが、難削であり、曲げ加工なども難しく、歩留りが悪くなりがちである。

抗菌性

微生物を死滅させたり、その増殖を阻止する働き。光触媒作用のある酸化チタンも抗菌性のある固体物質。少量の貴金属元素を添加したチタン合金は、その表面にアナターゼ型の酸化チタン層を容易に形成し優れた抗菌性を示す。

工具

従来の鋼製品に比べて約30%~50%軽量。耐食性や非磁性も優れている。高所での作業に使用する安全帯につける留め具もチタン化されている。工具を軽量化する事で、作業者の疲労軽減につながる。
さ行

塑性加工

材料に荷重を加え変形させ、荷重を除いても残る変形を利用する加工。塑性加工には回転するロール間で変形させる圧延加工などがある。

 

 

シート

 薄板

磁化率

磁場の中に磁性体をおくと、磁性体は磁化され、ある磁化の強さを持つようになる。この時に外から加えられた磁場の強さと、磁性体の磁化の強さの比を磁化率という。

酸化チタン

通常は二酸化チタンをさす。白色顔料として大量に利用されている。(天然ルチルや合成ルチルを原料として製造されている。)白色ペイントや化粧品等に広く用いられていて、近年では光触媒としても注目されている。

酸洗・酸洗肌

酸を用いて表面をを科学的に処理すること。表面肌は金属光沢は無く、鈍い銀白色でステンレス鋼よりも灰色がかっている。

シーム溶接

溶接材料を上下電極で挟み込み、電極を回転させながら溶接電流を流す抵抗溶接。 加圧部の溶接材は、溶接電流による接触抵抗熱により分子拡散して接合する。大気中でシールド(遮断)無しでも可能。ティグ溶接に比べ疲労強度の要求が少ない所に適している。

シームレス管

シームレス管はその名前の如く継ぎ目なしで材料を削り出し、引き抜き加工をした製品ですセミシームレス管は、溶接管を継ぎ目を解らなく研磨したもので、溶接管とは溶接部分がそのままの状態のもの。

歯科用材料

チタンインプラント、義歯床(入歯)やブリッジ等。軽量で口との馴染みがよく金属アレルギーがみられないので  近年普及してきている。材料にはTi-6Al-4V ELI合金が使用されている。生体適合性がよく無毒性で、強度もある。

自由鍛造

形状のついた型を使わない通常の鍛造のこと。特別な型などに拘束されず、棒状等を自由に鍛伸するので自由鍛造と呼ぶ。チタンでは、鋳塊の鍛造、ビレットやスラブ製造の鍛造、各種の棒製造の鍛造などが自由鍛造である。

純チタン

純チタンは、主として酸素含有により4種類(JIS規格1種、2種、3種、4種/ASTM規格Gr.1,Gr.2、Gr.3、Gr.4)に分類され、強度への影響が大きい酸素の上限値で決められている。1種から4種になるに従って、酸素以外の鉄、窒素、炭素の含有量はわずかに増加する傾向であり、引張強さは上昇し、伸び、絞りは低下する。

スエージ加工

スエージング加工ともいう。丸棒や管などの金属材料を工具の間で圧縮する加工のこと。

スポット溶接

抵抗溶接の一種で、上下に電極のある一個所で重ねた材料を溶接すること。条件によっては、大気中でシールド無しでも可能。点溶接ともいう。

スポンジチタン

クロール法で製造された多孔質・スポンジ状のチタン地金。破砕しインゴット製造の原料となる。
なお、1990年代まではナトリウム還元法で製造されていたチタン地金もあり、同じような性状なのでこちらもスポンジチタンと称していた。

スリット

広幅のストリップをより狭い所定の幅のストリップに連続的に切断すること。チタンでは薄肉溶接管製造用のフープをつくるときに広幅のストリップからスリットにより製造する。

生体適合性

生体適合性:[biological conformity]
人体に埋め込まれても体液に腐食されず、無毒であり、長時間の使用に耐える材料の性質。
金属材料ではチタンもステンレス鋼やCo-Cr-Mo合金と並んで生体適合性があり、機械的性質などを考慮すると、もっともすぐれた生体材料である。

切断

材料を切る事。一般的な切断方法として、鋸切断・シャーリング切断・高圧水で切断するウォータージェット切断の機械的切断方法と、ガス切断・プラズマ切断・レーザー切断等の熱的切断方法がある。板の厚みや径の大きさによって、切断方法や切断可能な機械も変わってくる。

切削

材料を刃物で削ること。機械加工ともいうが、機械加工は切削以外の切断などをふくめて広く使うことがあるので、機械加工の一つを切削と考えて良い。チタンの薄い切り粉や微粉は表面積が大きいので、火花などの着火源により容易に発火するので注意が必要。

た行

耐食性

金属が腐食に耐える性質。純チタン・チタン合金は、実用金属材料の中で最も耐食性に優れている。(金や白金を除く)多種多様な環境で極めて安定した不動態被膜で保護され、海水中では白金に次ぐ耐食性を持つ。塩化物濃度の比較的高い領域の酸化性雰囲気で極めて安定した耐食性を持つ。

耐食材料

耐食性のすぐれた材料。耐食性はチタン材料の基本性能であり、全てのチタン材料は耐食材料の側面は備えている(例外あり)が、他の特性機能が主役を演じる場合は耐食材料と呼ばれない。耐食材料と呼ばれるのは、工業用純チタン・耐食チタン合金などがある。

耐摩耗性

材料の摩耗に対する抵抗性のこと。摩擦によって擦り減る事をいう。摩耗の形態には凝着摩耗・腐食摩耗等がある。これらの摩耗に耐えるようにする為、浸炭や窒化等によって材料表面に硬化層を形成させるのが一般的な方法。

耐力

降伏点が明瞭にあらわれない金属材料の引張試験においては、0.2%の永久ひずみを生じる応力を0.2%耐力として、降伏強さのかわりに用いる。
チタンの耐力は大きく、普通鋼の179(N/mm2)に対して、純チタンは277(N/mm2)、合金は909(N/mm2)である。

脱スケール

金属表面の酸化物層の除去。チタンの脱スケールは、熱間圧延・熱間鍛造など熱間加工をした後、またはそれらを熱処理したあと行う脱スケールの方法として、研削研磨・ブラスト処理・ソルトバス処理・酸洗、及びそれらの組合せがある。

ダル仕上げ

AP仕上げともいう。表面処理の種類の一つで、光沢の無い鈍い表面の状態。焼きなまし、酸洗肌のことを言う。表面を荒らしたロールで圧延する事により微細な凸凹がチタンの表面に転写される。

 

鍛造

圧縮力によって金属素材に形状を与える金属加工技術の一つ。金属素材を打撃・加圧することで、目的の形状を造ることを「鍛造」と言います。他の加工法に比べ、より粘り強く衝撃 破壊を起こしにくい強度的に優れた性質(靭性)を持った製品を得ることが出来る。

チタン

原子番号22。融点1668℃。密度4.51g/㎤。強固で容易に再生可能な不動態皮膜による完全な耐食性(流動海水中 にて)。比重はアルミニウムと鉄のほぼ中間。用途→純チタンが化学プラント・海洋土木・食品工業・  眼鏡フレーム等の民生品・ゴルフクラブや釣具等。合金が航空機の機体材料やジェットエンジンのタービンブレード、航空宇宙関係の材料等。最近では酸化チタンの抗菌性や光触媒作用も注目されている。

チタン鉱石

金属チタンの原料鉱石には砂状のイルミナイト(TiO2=50%程度)と天然ルチルがあり、イルミナイトが全体の90%を占めている。主な鉱石産出国は、オーストラリア、カナダ、南アフリカ、インド、ベトナム、マレーシアなどである。日本はオーストラリア、インド、南アフリカからの輸入が多い。また、チタン鉱石は他にアナターゼ、リューコクシン等の種類があり、これらを含めた有効埋蔵量は約3億トンと言われている。

チタン材料規格

チタン材料の取引に際して必要な品種・種類・品質基準等を定めた規格。日本工業規格のJIS・アメリカの規格ASTM・アメリカの宇宙航空機材料の規格AMS等がある。国際的によく使われているのはASTMであり、JISはASTMとの整合性を取るべく改定が行われた。(2001年版)

チタン酸バリウム

高い誘電率を持つセラミック。代表的なセラミックス材料の一つである。劇物指定。分子式BaTiO3、分子量233.23。融点1620℃。CAS番号12047-27-7。常温常圧では白色の結晶性粉末。水には殆ど溶けない。常温における比誘電率が1200と大きいためセラミックコンデンサーとして使われる。また圧電係数も大きいため、その圧電効果を利用して圧電素子として使われる。

チタン非破壊検査規格

チタンおよびチタン合金の非破壊検査規格は、「JIS H 0515, 0516」にチタン管の過流深傷検査と超音波探傷検査が「JIS Z 2306, 3107」に放射線透過試験に関する事項が定められている。

チタンメッキ(コーティング)

表面硬度が高くなり金属アレルギーが起こりにくくなる。表面装飾一環(窒化チタン)の場合、美しい金色となる。更に着色が可能(緑や青等)。科学的に安定しており腐食しにくいため耐薬品性が高い。

窒化チタン(TiN)

TiNの用途としてよく知られるのは、切削工具、機械部品、プラスチック成型、スポーツ用品、装飾品などのコーティング用途。特に切削工具ではもっともよく見るコーティングで、刃の部分に独特の黄金色がついているものはほとんどがこのTiN(窒化チタン)の膜です。色が金色であることから装飾品に使われることもある。最高使用温度は一般に600℃までとされ、コーティングとしては硬度は2000前後~2300程度まで出ることが知られている。

鋳造

鋳造とは、溶融させた金属を鋳型に流し込んで、鋳型の形状のとおり凝固させて金属を製造する方法です。 鋳造は複雑な形状のものを作製できるというメリットがあります。その反面、強度のバラツキが大きかったり、 残留応力が発生しやすいというデメリットがあります。

TIG溶接

不活性ガスの雰囲気中で非消耗のタングステン電極と母材との間に発生するアーク熱により接合する方法。チタン溶接の主流。コンタミネーションを防ぐため、ガスシールドが最も重要。

電解研磨

電解研磨とは、製品に電流を流し、電気分解で金属表面を溶解させることで研磨効果を得る方法です。光沢を引き出し、高い光沢度が得られる。表面粗さの小さい面が得られる。さらに加工変質層や異物の無いクリーンな表面物質となります。電解研磨では細かい部分の研磨も可能

電解複合研磨によるチタン鏡面仕上げ

電解複合研磨は、電解により生成した酸化皮膜でチタンと砥粒の化学反応を抑制し、砥粒で凸部の酸化皮膜を部分的に除去して、露出した部分に電流を集中させることで効率的に一様なチタンの鏡面を得ることができる研磨方法。鏡面仕上げが難しいチタンも、電解複合研磨なら平均粗さ1nmの鏡面化が可能。
な行

梨地肌

酸洗肌。表面の状態の一つで、鏡面仕上げとは異なり、ザラザラした表面が特徴。酸洗した後の表面が、梨に似ている。

ナトリウム還元法

スポンジチタン製造の一方式。四塩化チタン(TiCl₄)をナトリウム(Na)と反応させ、TiCl₄の塩素をNaと結合させて金属チタンを得る方法。

熱間圧延

材料を高温に加熱し、圧延する方法。チタン材を熱間圧延する場合、一般的には純チタンで700~900℃、チタン合金で1000℃以上まで加熱される。

熱間加工

材料を高温に加熱して、塑性加工をすること。熱間で加工すると、一般に加工性が向上して割れにくくなり、変形抵抗が低下して加工しやすくなる。チタンの熱間加工には、熱間鍛造・熱間圧延などがある。

熱間鍛造

高温で行う鍛造。チタンの鍛造は高温で行う事が通常なので、ほとんど全て熱間圧延と言って良い。純チタンの場合は加工性が良いが、チタン合金の場合は難しい。加熱してハンマーで叩き、金属内部の空洞をつぶし結晶を微細化し結晶の方向を整え、強度高めると同時に目的の形状に成形する加工技術。

熱交換器

温度の異なる二種類の流体の間で高温側流体の熱エネルギーを低温側の流体に伝える装置の事。

 

 

熱処理

金属材料に加熱・冷却の熱履歴を加えることにより、材料の諸特性を変化させる処理。焼きなまし・焼き入れ・容体化処理・焼き戻し等がある。

熱分解

有機化合物などを酸素やハロゲンなどを存在させずに加熱することによって行われる化学分析である。チタン関係では、四ヨウ化チタンを約1300℃で熱分解して、高純度チタンを得るのに利用されている。(ヨード法)
は行

不動態

金属やその合金を腐食性の水溶液、たとえば酸の中に入れた時、熱力学的には腐食されるはずのものが腐食されない状態。金属がイオンとして溶け出すときに酸素が発生し、この酸素が金属に吸収着されて緻密な酸化物皮膜を形成し表面全体を覆うためである。チタンおよびチタン合金の耐食性がすぐれているのは、この不動態酸化皮膜が形成されるためである。

[foil]

フォイルともいう. 板厚が0.2mm未満の極薄板. 純チタンおよびβ合金の箔は冷延により製造可能であり, 10μm以下の厚みの箔が製造されている. カメラのシャッター膜には1960年代から採用されており, 音響製品の振動板などの用途がある.

板状αコロニー組織

[α plate colony microstructure] マルテンサイト組織の方向がそろったコロニー組織において,冷却過程で並列に板状のα相の析出が生じた組織.鋳造品や粉末冶金合金など,高温から徐冷されるプロセスで製造される場合に生じやすい組織である.

爆発成形

[explosive forming] 板状素材の成形法の一つ.火薬の爆発エネルギーを利用し,衝撃波のエネルギーで希望する形状に形づくる方法.チタンへの応用はまれである.

 

腐食

腐食環境にある材料が、環境との相互作用によって、化学的または電気化学的に浸食され、その機能が劣化する現象。

ハーフ合金

Ti-3Al-2.5V合金。合金元素量が、Ti-6Al-4V合金の約半分である。チタン合金61種で、α-β組織を持ち、チタン合金の中では中強度で耐食、溶接性、成形性に優れている。

プレート

板の事。チタンでは英語のプレートはアメリカの規格ASTMにおいて板厚4.75mmより大きく、幅254mmより大きい板と規定があるが、日本語のプレートは特に規定がなく、シート(薄板)と明確な区別をしていない。

爆発圧着

[explosion cladding] 爆着ともいう.二つの材料を接合する方法の一つ.火薬を爆発させてその衝撃波のエネルギーで二つの材料間に高圧力をかけ接合する方法.融点の差が大きい金属の組合せや熱膨張係数の大きく異なる金属の組合せなど,他の方法では接合が不可能な場合でも有効である.  チタンと鉄の溶接は脆い金属間化合物が生成して実用上できないので,爆着はチタン板と鋼板の合せ板であるチタンクラッド鋼板に1960年代から利用されてきた.爆発により瞬時に圧着されるので,接合面が局部的に加熱されるが極端に早い冷却をともない,実質上冷間で行われる.したがって,両方の素材の材質変化はほとんどない.また,二つの素材接合面で相互拡散が行われないため,脆い金属間化合物は生成されない.圧延圧着より高価であるが,大きい板など板厚や面寸法の組合せは自由にできる.

バックシールド

[backing shield] アーク溶接において,溶接している面の反対側の面を,不活性ガスを流すことにより大気ガスから遮断(シールド)すること,または,その治具. チタンの溶接品質は溶接時のシールドにより決まるので,バックシールドはきわめて重要である.溶接作業の面は溶接トーチからのシールドガスで遮断され,裏面はバックシールドで遮断する.溶接部の溶けた金属が貫通している場合には,とくにバックシールドを完全にしなければならない.

発色

材料の表面が色を出すこと。チタンの表面に大気酸化法・陽極酸化法により酸化皮膜をつけると、膜の厚さにより色が変化する。膜厚の薄いほうから厚い方へ、ゴールド・ブラウン・ブルー・イエロー・パープル・グリーン・グリーンイエロー・ピンクの順に発色する。

張出し成形

[stretch forming] 板状素材の成形加工の一つ.面内で2軸引張りを加えて成形する方法.板の周囲を固定して,ポンチや液圧で表面積をふやし,ポンチやダイの形状に成形するので,周辺部から材料は流入せず板厚が薄くなる.一般に,加工硬化が大きい材料は張出し性にすぐれている.張出し性は通常エリクセン値で評価される.純チタンの張出し成形は,チタン全需要の約5%であるプレート式熱交換器板に使う.純チタンは加工硬化が小さいので張出し性はステンレス鋼ほどよくないが,純度を上げることや結晶粒を大きくすることにより改善できる.

引抜加工

ダイスと呼ばれる工具に通して、先端から材料を引っ張り、引き抜いて小さい寸法へ変形させる塑性加。押し出されるようにして材料の形状が変化されます

比強度

比強度:[specific strength]
金属材料が示す「引張強さ」を、その金属の「比重」で割った値を比強度という。
軽くて強い性質が要求されるものにおいては、重量あたりの強度特性を評価するための重要な指標となる。

被削性

切削性ともいう。金属材料を切削加工するときの削られやすさを評価するための性質の総称。非削性をきめる性質には、切削に使う工具の寿命・切削による仕上げ面のきれいさ、切りくずの処理の容易さなどがある。純チタン及びチタン合金は他の金属に比較して高融点である。熱伝導率が小さい。ヤング率が小さい。耐摩耗性が低く焼き付けを起こしやすい等の性質を有するため、被削性は実用金属材料中では低位にある。

比熱

比熱:[specific heat]
単位質量の物質について、その温度を単位温度(1K)上昇させるのに必要な熱量。
純チタンの比熱は、鉄より約10%高く、アルミニウムの約60%です。

非破壊試験

非破壊試験とは、材料に切り欠きや圧痕などを入れることなく、材料の特性や欠陥を見る試験のことです。

表面肌

材料表面の仕上げ状態。チタンの表面肌の表現法は二種類で、酸洗肌と酸洗仕上げがあり、両方とも酸洗仕上げしたチタン表面を示す。酸洗仕上げには表面処理も含む。チタン母材の表面肌には、酸洗肌(梨地肌やダル肌)、真空焼なまし肌、鏡面等がある。

プラズマ溶接

プラズマアーク溶接は,プラズマガスと拘束ノズルによる熱的ピンチ効果を利用して細く絞ったプラズマアークを熱源とする溶接方法。TIG溶接より集中性の高い安定したアークと溶融プールが得られる。溶接操作はTIG溶接と大差はない

ヘアライン仕上げ

圧延加工後の表面にグラインダー、研磨などでヘアラインをつける二次加工のこと。

ベータチタン

β型チタン合金、略してβ合金ともいう。常温でβ単相組織が得られる合金。
結晶構造に起因したすぐれた塑性加工性を共通点とする多くの合金が開発されている。
高比強度合金として実用されている合金はすべて準安定β型に属し、安定β型に属するものは耐発火、耐食、超伝導など特殊な用途で用いられる合金である。
ま行

摩擦圧接

摩擦亜圧接気を用いて行い、接合する材料を押し付けて発生した熱で接合する方法。

マルテンサイト組織

マルテンサイト変態により形成される組織。チタンの分野 では、慣用的に針状組織の方が広範に用いられ、本呼称は針状組織の一種の同意語として用いられているに過ぎない。構造から、β相の安定度に応じて、α’相とα”相の2種類のマルテンサイト組織に分類される。

マグネシウム還元法

四塩化チタン(TiCl4)をマグネシウム(Mg)で還元してチタンを得る方法。

密度

体積密度(単位体積当たり)の質量をさすのが一般的。純チタンの密度は4.51g/㎤であり、実用金属中では、マグネシウム・アルミについで小さい。チタン6-4合金の密度は4.43g/㎤。

メッシュ

篩の目の大きさを表す単位
や行

溶解

原料を融点以上の温度に加熱して溶かすこと。チタンの溶解は、大気中の酸素・窒素などとすぐに反応するので、必ず真空中またはアルゴンなどの不活性ガス雰囲気で行う。

焼なまし(焼鈍)

高温に加熱し、その温度を保持した後、適当な速度で冷却して、加工硬化による内部のひずみを取り除き、材料の均一性を改善する為の処理。

ヤング率

棒材の材料の軸方向に応力を加えたとき、弾性変形の領域ではフックの法則が成り立ち、ひずみは応力に比例する。この比例定数をヤング率という。純チタンの常温でのヤング率はステンレス鋼の約半分の大きさ。

融点

物質が固体の状態から液体の状態に変わる事を融解といい、その温度を融点という。物質が液体の状態から固体の状態に変わる温度である凝固点と同じである。チタンの融点は1680℃。金属元素のうちでは高いほうで、高融点金属に分類される。

陽極酸化

酸の溶液中で金属を陽極して電解を行うことにより、金属の表面に酸化被膜を生成させる表面処理の事。さらに化学的に酸化膜を作ることにより、表面を丈夫にしたり、色を付けることもできます。

溶体化処理

高温に加熱保持し合金元素を固体に溶け込ませた後、急冷する処理。硬度を高める為に行われる。
ら行

流動法

流動層を利用した反応プロセス。反応装置内で下部から流体を導入し、装置内の粉粒体を通過させるとき、流体の速度が大きくなり、ある速度を超えると粉粒体は流体内に浮遊懸濁し、液体と類似の性質を示すようになる。この現象を流動化という。

RB

ラウンドバー。Round(丸い)Bar(棒)。丸棒のこと。

 

冷間圧延

常温で圧延すること。大きな変形はできないが,表面状態の仕上がりがよい。

リング鍛造

穴のあいたドーナッツ型素材を外径および内径側から加圧変形して、直径を大きくしリング状にする鍛造の事。

レーザー溶接

レーザ溶接とは、レーザ光を熱源として主として金属に集光した状態で照射し、金属を局部的に溶融・凝固させることによって接合する方法のこと。

ろう付け

母材より低い温度で溶けるろう材を接合部にインサート材として挿入し、母材にぬれさせ接合する方法。ろう材の融点が450℃以上をろう付けといい、450℃より低い場合ははんだ付けまたは軟ろう付けという。チタンの場合はろう付けが用いられる。一度に多数箇所の接合が可能。接合部の寸法変化が少なく、精密構造の接合に適する。異種材料との接合も可能。

ローラーダイス加工

上下二対のローラーを直角に組み合わせたダイスによる引抜加工(伸線加工)

ロストワックス

鋳造製造過程で、ワックス(ろう)を利用し、精密鋳型を作る方法。ワックスで模型の型取りを行って耐火物を上塗り、脱ろうする。 ろうを取り除くことからロストワックスと呼ばれる。チタンでは小型の精密鋳物にこのロストワックスを用いた型製作が行われる。
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