カテゴリー別アーカイブ: チタン辞典

ロックウエル硬さ

圧子の侵入深さによって評価する御しこみ硬さの1つ。円錐状のダイヤモンド、超硬合金製の球、あるいは鋼球の圧子を用いて、これをまず基準荷重、つぎに試験荷重を加えて試験材料に押し込んだ後、基準荷重にもどし、前後2回の基準荷重負荷時における圧子の侵入深さから硬さを決定する。硬さの記号はHR

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伸びフランジ成形

板の成形加工法の一つで、平面内が1軸引張りの状態で加工する方法。穴広げ加工はこの方法の一つである。

 

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腐食疲労

腐食環境に置かれた金属材料に繰り返し応力(疲労)が重畳して作用した場合、腐食によって疲労が加速され、単純な疲労よりも破断までの繰返し数・破断応力ともに低下する減少。応力腐食によって生成した表面欠陥に繰り返し応力が加わることによって割れに進展し、これが成長して破壊に至ると考えられている。

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切削性

切削用工具(刃物)の性能のこと。金属材料の被削性をいうこともある。高価だが、すぐれた切削性を示す工具用材料に、炭化ダングステンWCや炭化チタンTiCの粉末にコバルトを加えて焼結した超硬合金がある。

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変形抵抗

材料が塑性変形をおこす際の限界応力。温度および変形速度によって異なり、この値が大きいほど加工が難しくなる。熱間加工域では、工業用純チタンとステンレス鋼との差はあまりないが、チタン合金では鉄鋼材料にくらべて大きく、より能力の大きな加工機械を必要とする。しかしチタン合金の変形抵抗は、ひずみ速度による影響が大きく、プレス速度を小さくすることにより、鉄鋼材料と同様な加工が可能になる。この特性を利用し、チタン合金の薄肉・複雑形状部品製造用に恒温鍛造の技術が開発されている。

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バウシンガー効果

[Bauschinger effect]
金属材料に弾性限以上の引張応力を加えて塑性変形させた後,逆方向に応力を加える,すなわち圧縮応力を加えると,加工硬化しているのにもかかわらず,2度目に引張応力を負荷したときに示すであろうはずの弾性限よりもはるかに小さな応力で塑性変形する現象。その原因には諸説あるが,圧縮応力による変形の場合,引張応力による変形プロセスの逆をそのままたどるのではなく,むしろ駆動力になる成分が加わるとして説明されている。この効果は,材料の動的な機械的性質である疲労と密接な関係がある。

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金属間化合物材料

2種類以上の金属元素から形成される化合物で金属とセラミックスの中間の性質を有し、強度、剛性が高温でも高く、耐食性にもすぐれている。チタンを含む金属間化合物としては、TiAl,TiNi,TiNbなどが実用化されている。TiAlは自動車のターボチャージャー、航空機ジェットエンジン低圧タービンブレードに、TiNiは形状記憶特性を生かした温度検知素子兼アクチュエーターとしてのばね材(水道の混合水栓など)や超塑性を活かしたメガネのフレームなどで、TiNbはリニアモーターカーの車体素側磁石や医療検査機器MRIの磁石に超電導特性が活かされている。

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金属間化合物

[intermetallic compound]

金属元素同士が簡単な整数比で結合し、規則正しい配列をした結晶構造をもつ化合物。金属間化合物は構成元素とは異なる結晶構造と結合様式を有し、そのため構成元素とはまったく異なる特性を発現できる特徴がある。たとえば、チタンとアルミニウムの二元系状態図には、Ti₃Al、TiAl、TiAl₃の三つの金属間化合物が存在するが、アルミニウムの融点は低いにもかかわらず、アルミニウムを多量に含有するTiAl金属間化合物やTiAl₃金属間化合物は高融点物質である。

また、金属間化合物は状態図から、つぎの三つの形態に分類される。(1)クルナコフ型とよばれ、高温での固溶体から規則変態により生成する化合物。(2)バーソライド型とよばれ、凝固から規則構造で生成するが、ある組成幅で存在できる化合物。(3)ダルトナイド型とよばれ、組成幅はなく化学量論組成のみが安定な化合物。これらの金属間化合物は、合金中に少量析出物として存在する場合と、材料全体を金属間化合物として利用する場合では期待するものが異なる。

 

 

 

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炭化

炭化物をつくるか、材料の中に炭素が入り込むと、鋼などの材料の中に炭素を浸透させ、炭化物を生成し基地の濃度を上げることを浸炭という。すでにできた炭化物を表面に密着させる肉盛溶接や溶射は炭化とはいわない。チタンの場合、プラズマ浸炭が実用化されている。

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時効処理

溶体化処理により過飽和固溶体を形成した後、低温での加熱保持により析出反応を促進する処理。より安定な組織へと変化させる処理である。その為、一般に溶体化処理と時効処理とは組み合わせて適用される。チタン合金ではβ相中で析出反応がおこる。時効処理は425~650℃で行われ、その効果挙動を利用して、広範な強度・延性・靱性の組み合わせに調整することができる。また、熱処理性とはこの時効硬化挙動により特性を変えられる度合いを表現した語である。

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溶体化・過時効処理

溶体化処理と時効処理とは、本来組合せで適用される処理で、焼なまし温度またはそれに近い高温で時効処理が施される場合と組合せた処理、この処理は、焼なまし材にくらべて、強度の上昇は少ないが、靭性と延性を高めることができる。その改善効果は、バイモーダル組織の近似した組織に制御できることによる。

 

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精密鋳造

最終製品の形の鋳物を作る方法。通常、ロストワックス法にて鋳型をつくり、真空中で鋳込む。チタンの精密鋳造は、遠心鋳造と熱間精水圧プレスの組合せで信頼性が増し、航空宇宙用部品の製造法として生産が増加してきた。特にジェットエンジンの非回転体部品は鍛造品から鋳造品に変わってきている。ゴルフクラブのヘッドもチタン精密鋳造品の一つである。

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ガルバニック腐食

異種金属接触腐食または接触腐食ともいう。
電池作用による腐食でもあり、電食ということもある。異種金属を接触させて、これを導電性の溶液に浸すと、浸した溶液に対する自然電極電位が水素よりも低い卑な金属はイオンとなって溶液中に溶けこみ、残された電子は接触界面を通って貴な金属の方に移動して、金属の表面で次式の反応をおこす。
O2+2H20+4e=40H-
その結果、接触している金属のうちの卑な金属の選択的な腐食が進行する。これをガルバニック腐食という。
純チタンやチタン合金の自然電極電位は、海水などに対しては、白金や金などの貴金属と同様の値を示すので、それ自身が腐食されることはないが、接触している他種金属は、電位にもよるが、激しく腐食されることがあるので、構造物の材料選択・設計には注意が必要である。

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ホットダイ鍛造

金型温度を約50℃以上に加熱して行う型打鍛造。通常の型打鍛造の金型は200~400℃に加熱するが、それ以上の温度に加熱する。恒温鍛造ほどには加熱しない。 ホットダイ鍛造は、チタン合金の型打鍛造において変形抵抗が高く冷えやすく割れやすいので、それを解決するために考えだされた。恒温鍛造は金型温度を材料と同じにするので金型や装置費用が大変であるが、ホットダイ鍛造は通常より高い金型温度で鍛造しやすく、加熱回数を少なくできコストを低減する。
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剛性率

横弾性係数ともいう。材料にせん断応力を加えたとき、弾性変形の領域では、フックの法則が成り立ち、ひずみは応力に比例する。この比例定数を剛性率という。すなわち、せん断応力tとせん断ひずみyの場合、剛性率GはG=t/yで表示される。
 純チタンの常温での剛性率は0.447x10^5MPaで、鉄の2分の1、アルミニウムの1.5倍である。

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表面処理

材料表面をある目的をもって処理すること。チタンの表面処理は、目的により意匠性・耐摩耗性・耐食性表面処理がある。処理した表面の状態により、酸洗またはブラスト処理などのように表面は母材と同じで表面状況を変える処理、窒化などのように表面の材料を反応などで変える改質処理、電気めっきのように材料表面に他の物質を密着させる皮膜処理(コーティング)がある。
 チタンの表面仕上げには、酸洗仕上げ(ダル仕上げ)・真空焼なまし仕上げ・ブラスト仕上げ・エッチング仕上げ・鏡面仕上げなどがある。表面改質には、陽極酸化・大気酸化・窒化・イオン注入などがある。皮膜処理には、CVD法・PVD法・塗装・PdO/TiO2など貴金属コーティング・電解めっき・肉盛溶接・溶射などがある。

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溶加棒・ワイヤー

チタンの厚肉の板材や角材などを溶融融接する場合に溶加材として溶加棒またはソリッドワイヤーを用いる。これをフィラー溶接をいう。溶加材を用いない場合はノンフィラー溶接といい、板厚1.5mm以下の場合に多く適用される。

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絞り

伸びとともに、材料の変形能を表す指標の一つ。引張試験における試験片破断後の最少断面積Aと試験前の原断面積A0を用いて次式で表される。
R=100x(A0-A)/A0 (%)

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深絞り成形

板状素材の成形加工の一つ。ダイの上に置かれた板をポンチにより穴の中に押し込み、フランジ部が縮み変形を受けながら材料が流入して、ポンチ形状に成形する加工。深絞り性を定量的に表すのに限界絞り比がよく使われる。限界絞り比LDRは、各種の直径をもつ円盤状素板を、直径dのポンチで穴の中に深絞り成形し、破断なく絞り抜ける最大素板直径をDとすれば、その比D/dで表す。純チタン板の深絞り性は、非常に優れており、普通鋼やステンレス鋼よりよい性質を示す。LDRで比較すれば、純チタンの1種は2.7。アルミニウム2.0。銅2.0である。純チタン板のすぐれた深絞り性は、純チタンの高いr値と密接な関係がある。高いr値の材料では、フランジ部の縮み変形が容易となり、逆に側壁肩部の板厚変形がしにくく、ポンチ穴への材料が流入しやすくなり、深絞り性が向上する。カメラボディや各種容器など、チタンの成形加工ではもっとも多く使用されている。

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加熱炉

[heating furnace]

熱間圧延や熱間鍛造など熱間加工をするとき、材料を加熱する炉。チタンの加熱炉は、基本的に他の金属と同じであり、多くの場合鋼や超合金と併用する場合が多い。通常、ガス炉や灯油・重油など液体燃料の加熱炉が利用されるが、型打鍛造など精密な仕上げ鍛造の場合は電気炉が使用される。燃焼加熱炉の場合は、水素吸収を防止するため、数%の過剰の酸素を含有する雰囲気にすること、材料に炎が直接あたらないようにすることに留意する。鋼と兼用の加熱炉では、鉄スケールを除去してチタンを加熱しなければならない。高温のチタンと酸化鉄が接すると瞬時に反応するテルミット反応がおき、炉が瞬時に焼損する。

 

 

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