カテゴリー別アーカイブ: チタン辞典

スポンジチタンケーキ

多孔質・スポンジ状のチタンの塊。現行のクロール法によるチタン地金製造では、還元・真空分離の工程が終わると容器内に多孔質・スポンジ状のチタンの大塊ができ、冷却後これを押し抜き法で容器からとりだす。このとりだした円柱形に近いスポンジ状のチタンの塊を、スポンジチタンケーキという。現在、大型のものは、直径約2m、高さ約3m、重量約10トン。

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高サイクル疲労

104回以上の繰返し応力負荷(降伏点以下の応力の繰返し)で破壊する疲労現象。鉄鋼材料のように、ある応力振幅以下では破壊がおこらない限界応力が存在する材料では、疲労破壊がおこるかどうかの限界応力値、すなわち疲労限度が問題となる。一方、チタン合金などのように疲労限界のあらわれない金属材料では、107あるいは108回までの繰返し応力負荷に対する、疲労強度(破壊応力)が問題となる。

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誘電性

ある種の物質に静電場を加えると誘電分極を生じ、この分極がエネルギーを失うことなく維持される性質。すなわち直流電流が流れない性質を誘電性という。なお、この誘電性を示す物質を誘電体という。誘電性を示すチタン材料には、強誘電体(→強誘電性)であるチタン酸バリウム(BaTiO3)などがある。

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ワイヤーロープ

複数の線をねじり1本にした縄(ロープ)。

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温間成形

[warm forming]

板を常温より高い温度に加熱して行う成形加工。一般に、金属は常温より温間の方が伸びが大きく成形性が向上するので、常温での成形がむずかしい場合に温間成形加工を行う。温間より高い温度の場合を熱間成形という。温間と熱間の境界温度は金属により異なり、チタンの場合は通常約600度以下を温間という。

純チタン板の温間成形を行う場合、約200℃まで伸びは向上し成形性は大きく改善するが、約200℃から約500℃の温度間では成形性が低下することがあるので注意を要する。この現象が特に比較的純度の高い1種と2種(JISまたはASTM)に見られるのは、変形に制限を受けるからである。チタン合金板の場合は、通常、温間よりさらに高温で成形される。温度が高いほど成形性は向上し、純チタンのような挙動は示さない。

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耐候性

屋外の自然環境にさらされた材料が、大気・太陽光・雨や霧などの水分、各種の汚染物質による酸化・変色・腐食などの老化作用に耐える性質。これによって、屋外で使う材料の耐用年数が決まる。
 純チタンやチタン合金は、実用金属材料中では、もっとも耐候性に優れている。

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管継手

管を接続するのに使用する部品。

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CVD法

CVDはchemical vapor deposi-tionの略。化学蒸着法ともいう。表面処理の一つ。ガス状態で化学反応または熱分解をおこさせ、その生成物を材料表面に蒸着させること。一般に、高温度で行う。

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継目無管

シームレス管ともいう。溶接管などに見られる継目の跡のない、押出しなどで製造した管。溶接管に対する語である。
純チタンの継目無管は、通常ガラス潤滑の熱間押出し法(ユジン・セジュルネ法)とその後の冷間圧延または冷間抽伸(引抜き加工)により製造する。製造可能な概略寸法は肉厚1~10mm、直径16~100mmであるが、それより厚肉・太径の管は穿孔圧延製管法による。化学工業用にチタンが用いられた当初はよく使用されたが、チタン溶接管の製造技術が進歩するにつれ、溶接部の耐食性が母材と変わらないことや安価なことから溶接管が多く使用されるようになった。
チタン合金では、Ti-3Al-2.5V合金が航空機の油圧配管に使用されている。押出しおよび冷間圧延により製造されている。海底油田に使われるライザーチューブはTi-6Al-4V合金で穿孔圧延製管法により製造している。

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スラブ

鋳塊から板状圧延製品をつくる際の中間素材で、平たい長方体、通常、約100㎜以上の厚みを有する。純チタンのスラブは、直径720~1230㎜、高さ1950~2800㎜の鋳塊から鍛造または圧延、あるいは両方の組合せにより、厚さ100~260㎜、幅600~1310㎜の寸法に製造されている。長いものでは10m以上もある。その後、表面の酸化硬化層を砥石研削または機械加工により除去し、連続熱間圧延または厚板圧延に供する。チタン合金の場合は、変形抵抗が高いがほぼ同様に製造できる。アメリカでは電子ビーム溶解によりスラブが製造されている。

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スパッタリング

PVD法による表面処理の一つ。アルゴンガスを少量含む真空中において、材料を陽極に、被覆したい物質を陰極にして電圧をかけると、励起されたアルゴンガスイオンにより陰極の物質の原子が飛び出し、陽極の材料表面に堆積し膜を生成すること。被覆する陰極の物質をターゲットという。ターゲットの形に加工できれば、高融点の材料でも材料表面に成膜できる。スパッタリング中に反応ガスを入れれば、酸化物など高融点の物質を成膜できる。 純チタンをターゲットとして、窒素ガスを導入しスパッタリングを行うと窒化チタン(TiN)の皮膜が得られる。工具刃コーティングに利用されている。

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穿孔圧延製管

丸素材を回転するロールの間で、心棒を中心部に押し込みながら圧延する継目無管の製造方法。純チタン及びチタン合金は、直径が約100mm以上の比較的厚肉と直径の大きい継目無管の製造に用いる。

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n値

[n value]

加工硬化指数ともいう。JISでは、「真応力σと対数伸びεとの関係をσA=Cεnで近似させたときのnの値。薄鋼板では、通常、ε=5~15%、ε=10~20%などの全伸びの範囲について近似したときのnの値を、プレス成形性に関連する特性値として用いる」と定めている。

板材の成形時における加工硬化の程度を表す目安になる数値であり、n値が大きいほど局部的なくびれの発生が抑制され張出し成形が容易になる。

純チタンはステンレス鋼や普通鋼と比較してn値は小さいため、変形が局部に集中しやすく、成形限界も低く、張出し成形の際には注意を要する。

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熱膨張係数

熱膨張率ともいう。圧力を一定にして温度を上昇させた場合に、物体が膨張する割合。体積が増加する割合を体積膨張係数、長さが増加する割合を線膨張係数という。いずれも、0℃の値を基準とし、体積膨張係数はα=(1/Vo)(dV/dT)、線膨張係数はβ=(1/lo)(dV/dT)で与えられる。 チタンの線膨張係数は 8.64×10-6乗/℃でアルミニウムの3分の1、鉄の4分の3である。

 

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転造

溝などのついた複数の型(ダイス)の間を回転しながら押しつけ加工すること。純チタンの溝付き管(フィンチューブ)やネジの製造に常温で使用される。

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高温強度

常温以上の温度における強度。高温で使われる機器を構成している材料の引張強さ・破壊靱性値・クリープ強さ・疲労強度などの機械的性質が、温度の上昇にともなってどのように変化(低下)していくのかを知ることは、高温用機器の設計にあたって重要な情報となる。

一般に、金属材料の強度は温度の上昇にともなって低下するが、TiAlやNi3Alなどの金属間化合物の引張強さは、常温から800℃前後までは上昇し、以後低下するので、1000℃以上の高温で使われる機械部品にとっては将来有望な材料である。

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応力腐食割れ

SCCとも言う。腐食環境に置かれた金属材料に引張応力が負荷され続けると、応力腐食に起因する割れが発生し、それが時間の経過と共に拡大して、最終的には破断に至る現象。応力腐食割れは純金属よりも合金で生じやすい。また、材料本来の破断応力よりもずっと小さな応力でも破壊に至ることがある。負荷応力が大きい場合は、比較的弱い腐食環境でも破壊に至る。チタンはステンレス鋼に比べ応力腐食割れ感受性は小さい。

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光輝仕上げ

金属光沢をもち、輝きのある板表面の状態またはその表面処理。チタンの場合は通常、真空焼きなまし上がりの表面のことをいう。光輝肌・真空焼きなまし肌ともいう。
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耐食チタン合金

チタンの耐食性を合金元素添加により改善した合金、
工業用純チタンは、海水程度の環境下での全面腐食に対しては、ほぼ完全な耐食性を示す。しかし、高濃度塩化物イオンの高温環境下では、局部腐食の一種である隙間腐食が生じる。また非酸化性環境下での耐食性は劣る。この両者の耐食性を改善した合金を耐食チタン合金という。前者に対しては、貴金属元素添加が効果的であることが明確にされ、Ti-0.15Pd合金を発端とする耐隙間腐食チタン合金が開発されている。後者に対しては多量のモリブデン・タンタル・ジルコニウムの添加が有効であることが明らかにされ、Ti-15Mo-5Zr-3Al合金などが開発されている。

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一段還元法

[single stage reduction]

四塩化チタン(TiCl4)をナトリウム(Na)で還元して金属チタンを製造する方法(→ナトリウム還元法)の一つ。二段還元法がTiCl4をNa還元によって一旦ニ塩化チタン(TiCl2)にして、さらにNaで還元してチタンを得るのに対し、1回の反応TiCl4+4Na=Ti+4NaClでチタンをつくるプロセスである。

 

 

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