カテゴリー別アーカイブ: チタン辞典

PVD法

PVDはphysical vapor deposi-tionの略。物理蒸着法ともいう。表面処理の一つ。真空中で蒸発させ材料表面に蒸着させること。PVD法には、真空蒸着・イオンプレーティング・スパッタリングなどがある。比較的低温で処理ができ材料が軟化せず、寸法が変化しない。蒸着速度は高いが、裏側や穴への蒸着はできず、コストも高い。
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光触媒

ある種の物質がバンドギャップエネルギー以上の光エネルギーを吸収して半導体となり、その表面で吸着物質と電子による還元反応と正孔による酸化反応が対になっておこることを光触媒反応といい、このような反応を引き起こす物質を光触媒という。

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自然電極電位

[spontaneous potential]

金属を、そのイオンがまったく存在しない溶液に浸した場合に、金属と溶液とが作用して、局部電池作用によって腐食が発生した結果あらわれる二次的な平衡電位をいう。これに対して、金属のイオン化傾向に対応する電位系列に標準単極電位があり、これは、金属が溶液中の金属イオンと平衡状態にあるときの電位である。

自然電極電位のような電位系列が生ずる原因は分極・保護皮膜・不動態である。また、自然電極電位は接する溶液の種類により異なる。

純チタンの標準単極電位は、水素を0とした場合、-1.63Vとなり卑(水素を発生して溶ける)であるが、海水中における自然電極電位は完全に逆転して、実用金属・合金中ではもっとも貴(溶けにくい)な値を示す。

 

 

 

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塑性変形

材料に弾性限以上の荷重(応力)を加えたときに生ずる永久変形のこと。したがって、荷重を取り除いても元の形状にはもどらない。金属材料において塑性変形が生ずる原因には、転位の移動にともなう結晶のすべり変形、双晶質体の粘性変形などがある。

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ラメラ組織

層状形状の組織。チタンでは、つぎの二つの組織に対して用いられている。一つは、チタン合金において、通常針状α組織とよばれている組織に対して、ラメラ組織と呼称されることがある。これは、限られた使用例である。もう一つは、金属間化合物において、TiAlとTi₃Alが互いに積み重なった特異な組織をラメラ組織とよんでいる。広範に用いられる語で、比較的延性のすぐれた組織として注目され、その組織への制御手法がTiAl実用化の中心課題として検討されている。

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炭化物

炭素含有量が固溶限をこえた場合に生成する化合物、チタンでは、TiCとして生成する。この炭化物は、硬くて高温まで安定で、耐摩耗性や耐熱性をたかめる機能を有し、粒子分散強化型チタン基複合材料の分散粒子として用いられる。TiCを均一微細に分散させる方法として、クロム炭化物をチタン基質に添加し、内部発生させる手法が開発されている。

 

 

 

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溝付き二重管

直径の異なる二つの管の間をフィンで接合した隙間のある二重管。内側または外側にフィンがついた銅フィン管をチタン管といっしょに引抜き加工(抽伸)して二重管をつくる。

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炭化

炭化物をつくるか、材料の中に炭素が入り込むと、鋼などの材料の中に炭素を浸透させ、炭化物を生成し基地の濃度を上げることを浸炭という。すでにできた炭化物を表面に密着させる肉盛溶接や溶射は炭化とはいわない。チタンの場合、プラズマ浸炭が実用化されている。

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高比強度材料

低温から高温までの各温度で、比強度の高い材料。単なる高強度ではなく、比重で標準化した強度。すなわち単位重量当たりの強度で優劣が比較される材料のこと。チタン材料で高比強度材料に分類されるのは、工業用純チタン・高比強度チタン合金・耐熱チタン合金・チタン基複合材料・チタン基金属間化合物などである。
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降伏強さ

降伏応力ともいう。引張試験において、弾性限をこえて応力を負荷していくと、ある応力でひずみが急激に増加するようになる。この応力を降伏強さという。非鉄金属材料では明瞭な降伏現象が見られないのが普通なので、所定の永久ひずみ(通常は0.2%)を生じる応力(0.2%耐力)を降伏強さとする。
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光輝焼なまし

[bright annealing] 処理した後、光輝仕上げが得られる焼なまし方法。チタンでは真空焼なましのこと。真空焼なましには不活性ガス雰囲気中での焼なましもふくむ。
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高機能性材料

機能性のすぐれた材料。材料を用途により耐食材料、高比強度材料、高機能材料の3つに大別した。強度も機能だと表現されることがあるが、耐食性と高比強度を除いた性能を機能性と分類した。チタン材料で高機能性材料に分類されるのは、生体用チタン合金、形状記憶合金、超電導合金、超弾性合金、超塑性合金などがある。
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ロックウエル硬さ

圧子の侵入深さによって評価する御しこみ硬さの1つ。円錐状のダイヤモンド、超硬合金製の球、あるいは鋼球の圧子を用いて、これをまず基準荷重、つぎに試験荷重を加えて試験材料に押し込んだ後、基準荷重にもどし、前後2回の基準荷重負荷時における圧子の侵入深さから硬さを決定する。硬さの記号はHR

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水素化物

水素含有量が固溶限をこえた場合に生成する化合物。チタンでは、TiH2として生成する。
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腐食疲労

腐食環境に置かれた金属材料に繰り返し応力(疲労)が重畳して作用した場合、腐食によって疲労が加速され、単純な疲労よりも破断までの繰返し数・破断応力ともに低下する減少。応力腐食によって生成した表面欠陥に繰り返し応力が加わることによって割れに進展し、これが成長して破壊に至ると考えられている。

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切削性

切削用工具(刃物)の性能のこと。金属材料の被削性をいうこともある。高価だが、すぐれた切削性を示す工具用材料に、炭化ダングステンWCや炭化チタンTiCの粉末にコバルトを加えて焼結した超硬合金がある。

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変形抵抗

材料が塑性変形をおこす際の限界応力。温度および変形速度によって異なり、この値が大きいほど加工が難しくなる。熱間加工域では、工業用純チタンとステンレス鋼との差はあまりないが、チタン合金では鉄鋼材料にくらべて大きく、より能力の大きな加工機械を必要とする。しかしチタン合金の変形抵抗は、ひずみ速度による影響が大きく、プレス速度を小さくすることにより、鉄鋼材料と同様な加工が可能になる。この特性を利用し、チタン合金の薄肉・複雑形状部品製造用に恒温鍛造の技術が開発されている。

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バウシンガー効果

[Bauschinger effect]
金属材料に弾性限以上の引張応力を加えて塑性変形させた後,逆方向に応力を加える,すなわち圧縮応力を加えると,加工硬化しているのにもかかわらず,2度目に引張応力を負荷したときに示すであろうはずの弾性限よりもはるかに小さな応力で塑性変形する現象。その原因には諸説あるが,圧縮応力による変形の場合,引張応力による変形プロセスの逆をそのままたどるのではなく,むしろ駆動力になる成分が加わるとして説明されている。この効果は,材料の動的な機械的性質である疲労と密接な関係がある。

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金属間化合物材料

2種類以上の金属元素から形成される化合物で金属とセラミックスの中間の性質を有し、強度、剛性が高温でも高く、耐食性にもすぐれている。チタンを含む金属間化合物としては、TiAl,TiNi,TiNbなどが実用化されている。TiAlは自動車のターボチャージャー、航空機ジェットエンジン低圧タービンブレードに、TiNiは形状記憶特性を生かした温度検知素子兼アクチュエーターとしてのばね材(水道の混合水栓など)や超塑性を活かしたメガネのフレームなどで、TiNbはリニアモーターカーの車体素側磁石や医療検査機器MRIの磁石に超電導特性が活かされている。

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金属間化合物

[intermetallic compound]

金属元素同士が簡単な整数比で結合し、規則正しい配列をした結晶構造をもつ化合物。金属間化合物は構成元素とは異なる結晶構造と結合様式を有し、そのため構成元素とはまったく異なる特性を発現できる特徴がある。たとえば、チタンとアルミニウムの二元系状態図には、Ti₃Al、TiAl、TiAl₃の三つの金属間化合物が存在するが、アルミニウムの融点は低いにもかかわらず、アルミニウムを多量に含有するTiAl金属間化合物やTiAl₃金属間化合物は高融点物質である。

また、金属間化合物は状態図から、つぎの三つの形態に分類される。(1)クルナコフ型とよばれ、高温での固溶体から規則変態により生成する化合物。(2)バーソライド型とよばれ、凝固から規則構造で生成するが、ある組成幅で存在できる化合物。(3)ダルトナイド型とよばれ、組成幅はなく化学量論組成のみが安定な化合物。これらの金属間化合物は、合金中に少量析出物として存在する場合と、材料全体を金属間化合物として利用する場合では期待するものが異なる。

 

 

 

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