カテゴリー別アーカイブ: チタン辞典

ガルバニック腐食

異種金属接触腐食または接触腐食ともいう。
電池作用による腐食でもあり、電食ということもある。異種金属を接触させて、これを導電性の溶液に浸すと、浸した溶液に対する自然電極電位が水素よりも低い卑な金属はイオンとなって溶液中に溶けこみ、残された電子は接触界面を通って貴な金属の方に移動して、金属の表面で次式の反応をおこす。
O2+2H20+4e=40H-
その結果、接触している金属のうちの卑な金属の選択的な腐食が進行する。これをガルバニック腐食という。
純チタンやチタン合金の自然電極電位は、海水などに対しては、白金や金などの貴金属と同様の値を示すので、それ自身が腐食されることはないが、接触している他種金属は、電位にもよるが、激しく腐食されることがあるので、構造物の材料選択・設計には注意が必要である。

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バウシンガー効果

[Bauschinger effect]
金属材料に弾性限以上の引張応力を加えて塑性変形させた後,逆方向に応力を加える,すなわち圧縮応力を加えると,加工硬化しているのにもかかわらず,2度目に引張応力を負荷したときに示すであろうはずの弾性限よりもはるかに小さな応力で塑性変形する現象。その原因には諸説あるが,圧縮応力による変形の場合,引張応力による変形プロセスの逆をそのままたどるのではなく,むしろ駆動力になる成分が加わるとして説明されている。この効果は,材料の動的な機械的性質である疲労と密接な関係がある。

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剛性率

横弾性係数ともいう。材料にせん断応力を加えたとき、弾性変形の領域では、フックの法則が成り立ち、ひずみは応力に比例する。この比例定数を剛性率という。すなわち、せん断応力tとせん断ひずみyの場合、剛性率GはG=t/yで表示される。
 純チタンの常温での剛性率は0.447x10^5MPaで、鉄の2分の1、アルミニウムの1.5倍である。

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比抵抗

比電気抵抗または電気抵抗率ともいう。電気伝導度σの逆数ρ=1/σ。断面積がSで長さが1の物体の抵抗RはR=(1/S)ρとなる。単位は、Ω・mである。純チタンの比抵抗は実用金属中ではもっとも大きく、20℃で47~55×10^-8Ω・mである。

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溶加棒・ワイヤー

チタンの厚肉の板材や角材などを溶融融接する場合に溶加材として溶加棒またはソリッドワイヤーを用いる。これをフィラー溶接をいう。溶加材を用いない場合はノンフィラー溶接といい、板厚1.5mm以下の場合に多く適用される。

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絞り

伸びとともに、材料の変形能を表す指標の一つ。引張試験における試験片破断後の最少断面積Aと試験前の原断面積A0を用いて次式で表される。
R=100x(A0-A)/A0 (%)

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ホットダイ鍛造

金型温度を約50℃以上に加熱して行う型打鍛造。通常の型打鍛造の金型は200~400℃に加熱するが、それ以上の温度に加熱する。恒温鍛造ほどには加熱しない。 ホットダイ鍛造は、チタン合金の型打鍛造において変形抵抗が高く冷えやすく割れやすいので、それを解決するために考えだされた。恒温鍛造は金型温度を材料と同じにするので金型や装置費用が大変であるが、ホットダイ鍛造は通常より高い金型温度で鍛造しやすく、加熱回数を少なくできコストを低減する。
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加熱炉

[heating furnace]

熱間圧延や熱間鍛造など熱間加工をするとき、材料を加熱する炉。チタンの加熱炉は、基本的に他の金属と同じであり、多くの場合鋼や超合金と併用する場合が多い。通常、ガス炉や灯油・重油など液体燃料の加熱炉が利用されるが、型打鍛造など精密な仕上げ鍛造の場合は電気炉が使用される。燃焼加熱炉の場合は、水素吸収を防止するため、数%の過剰の酸素を含有する雰囲気にすること、材料に炎が直接あたらないようにすることに留意する。鋼と兼用の加熱炉では、鉄スケールを除去してチタンを加熱しなければならない。高温のチタンと酸化鉄が接すると瞬時に反応するテルミット反応がおき、炉が瞬時に焼損する。

 

 

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型打鍛造

希望する形状をもつ型を使用して、プレス・ハンマーなどで成形する鍛造。自由鍛造に対していう。航空機機およびエンジン用チタン合金鍛造品は。主として型打鍛造により作られる。チタン合金の型打鍛造は、ステンレス鋼など他の金属用と同じ型打プレスや型打ハンマーを使用することができる。加熱炉は厳密な温度管理が必要で、通常電気炉が使用される。ガスや石油然焼炉を使う場合は、炎が直接あたらないようにマッフルなどの中で加熱する。型打鍛造は、通常α-β鍛造で有り、加工温度範囲が狭く、材料の熱容量が小さいために冷えやすい。温度が下がると極端に変形抵抗が上がり、割れやすくなる。したがって、金型を300~400℃に予熱しておき、材料を加熱炉からすばやく取り出し鍛造する。チタン合金の高温変形抵抗は、ひずみ速度が大きいほど高くなるので、型打プレスの方が有効だが、冷却しにくい点からは型打ハンマーが有効で、両方ともチタン合金に使用されている。

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穿孔

材料に孔をあけること。穿孔には、切削による方法、プレスで材料を押し広げて 孔をあける方法、プレス切断による方法などがある。チタンの穿孔には、発生する熱を蓄積しないように切刃部に切削油を供給する穴をもつ高速度鋼のドリルが適している。

 

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ロール成形

平らな帯板を連続して水平に並ぶロールの間に通し、進むにしたがって順次変形させ、最後に所定の断面形状に加工する方法。管や波板などの製造に用いられる。
純チタン溶接管の溶接管の溶接前の成形に多用される。純チタン溶接管は発電所の復水器、海水淡水化装置、化学工業熱交換器(→熱交換器)などに使われ、チタンの大きな用途の一つである。
純チタンのロール成形では、連続して成形する為のロール形状がとくに重要である。加工硬化が小さいために局所的に曲がりが出来やすいことや、スプリングバックが大きく元に戻りやすく変形しにくいことや、焼きつきやすい性質などを考慮してロール設計をする。
スプリングバックを軽減する為、300℃までの温間成形や製品より小半径型を使用する非対称成形ロールを採用することがある。焼付き防止の為組み立てロールが使用されている。

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恒温鍛造

型打鍛造において金型を鍛造する材料と同じ温度に保持して行う鍛造。材料の温度低下がないので鍛造荷重は従来の1/5~1/8に低減でき、加熱回数は大幅に少なくなる。材料表面の温度低下がないので肉流れ性がよく、最終機械加工製品に近い形状(ニアネットシェイプ)まで形作ることができるので、素材投入重量は従来の1/5~1/6でよい。同じ温度で加工するので製品の内部組織は均一で、品質特製のばらつきが少ない。

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焼結

[sintering]

粉末状の物質を高温で焼き固めること。チタン粉末製品をつくる場合に、粉末をプレス成形した後、真空で焼結を行う。チタンの焼結は通常約1200℃で行う。

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強誘電性

外部電場がないときでも、物質中の正電荷と負電荷の分布の中心がずれているために、自発分極を生じていて、かつ分極の方向が外部電場の方向に変化にともなって反転する性質。強誘電性を示す物質を強誘電体という。強誘電体は強磁性体のようなP-Eヒステリシス特性を示す。また、温度が上昇すると、ある温度以上で強誘電性を示さなくなる。強誘電性を示す代表的な物質にはチタン酸バリウム(BaTiO3)がある。これはコンデンサー・圧電素子などに使われる。

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ブルッカイト

板チタン石ともいう。酸化チタン(TiO2)の結晶の一つ。埋蔵量は少なく、鉱石としては採掘されていない。

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深絞り成形

板状素材の成形加工の一つ。ダイの上に置かれた板をポンチにより穴の中に押し込み、フランジ部が縮み変形を受けながら材料が流入して、ポンチ形状に成形する加工。深絞り性を定量的に表すのに限界絞り比がよく使われる。限界絞り比LDRは、各種の直径をもつ円盤状素板を、直径dのポンチで穴の中に深絞り成形し、破断なく絞り抜ける最大素板直径をDとすれば、その比D/dで表す。純チタン板の深絞り性は、非常に優れており、普通鋼やステンレス鋼よりよい性質を示す。LDRで比較すれば、純チタンの1種は2.7。アルミニウム2.0。銅2.0である。純チタン板のすぐれた深絞り性は、純チタンの高いr値と密接な関係がある。高いr値の材料では、フランジ部の縮み変形が容易となり、逆に側壁肩部の板厚変形がしにくく、ポンチ穴への材料が流入しやすくなり、深絞り性が向上する。カメラボディや各種容器など、チタンの成形加工ではもっとも多く使用されている。

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加工熱処理

塑性加工と熱処理とを組み合わせて適用し、それぞれ単独で加えた場合には得られない性質を発現できる処理。チタン材料は変態による駆動力が小さいので、熱処理だけでの組織制御には限界がある。例えば、等軸組織に制御するにはα-β二相共存温度域での加工を加える必要があり、一度針状組織が形成されると熱処理のみではもとの等軸組織に戻すことはできない。必然的に加工と熱処理の同時付与が必要不可欠な材料でチタン合金では広範に加工熱処理が適用されている。

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延性-脆性遷移温度

[ductile-brittle transition temperature]

破壊挙動が延性破壊から脆性破壊に遷移する温度。金属材料の多くは、高温では延性が大きいので、応力を加えると、十分に塑性変形をしてから破壊に至る。これを延性破壊という。低温では、ある温度を境に、ほとんど延性を示さずに破壊する。この温度は、引張試験では判定がむずかしいので、衝撃試験を行って、吸収エネルギー(衝撃値)と温度との関係から、吸収エネルギーが急激に低下する温度を遷移温度とする。

工業用純チタンやα型チタン合金では、常温以下で、温度の低下とともに強度は上昇するが、靭性はそれほど低下しないため、低温材料として使われる。とくに、酸素・窒素・水素の少ないELI材の合金は低温での靭性にすぐれており、代表的な合金にTi-5Al-2.5Sn合金(ELI)がある。

 

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チューブ

[tube]管のこと。薄肉の管とか小径の管をいう場合が多い。アメリカの規格ASTMでは、寸法に関係なく復水器と熱交換器用管のみをチューブ(tube)という。→パイプ →管

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ビレット

棒より大きい断面積をもち、断面の最大長さより大きい長さをもった中間素材。アメリカの規格ASTMでは、断面積が10322m㎡より大きく、幅が厚みの5倍より小さい材料と規定している。丸ビレットの場合、直径が115mm以上となる。

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