カテゴリー別アーカイブ: は行

雰囲気熱処理

熱処理環境からの汚染を抑制するため、不活性ガスや真空中で行う熱処理。チタンはきわめて活性な元素で、大気中で熱処理をほどこすと表層にαケースを形成し、また水素を吸収する傾向が強い。これらを防止するため、熱処理には雰囲気熱処理が広範に適用されている。
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表面硬化処理

材料の表面を硬くする方法。チタンの表面硬化処理にはクロムメッキ、Ni-P電解メッキ、イオン窒化・ガス窒化などの窒化処理、溶解塩電解によるホウ化処理、タングステン炭化物など硬い物質の肉盛溶接または溶射、チタン窒化物・チタン炭化物のCVD法またはPVD法によるコーティング、イオン注入などがある。

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PVD法

PVDはphysical vapor deposi-tionの略。物理蒸着法ともいう。表面処理の一つ。真空中で蒸発させ材料表面に蒸着させること。PVD法には、真空蒸着・イオンプレーティング・スパッタリングなどがある。比較的低温で処理ができ材料が軟化せず、寸法が変化しない。蒸着速度は高いが、裏側や穴への蒸着はできず、コストも高い。
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光触媒

ある種の物質がバンドギャップエネルギー以上の光エネルギーを吸収して半導体となり、その表面で吸着物質と電子による還元反応と正孔による酸化反応が対になっておこることを光触媒反応といい、このような反応を引き起こす物質を光触媒という。

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腐食疲労

腐食環境に置かれた金属材料に繰り返し応力(疲労)が重畳して作用した場合、腐食によって疲労が加速され、単純な疲労よりも破断までの繰返し数・破断応力ともに低下する減少。応力腐食によって生成した表面欠陥に繰り返し応力が加わることによって割れに進展し、これが成長して破壊に至ると考えられている。

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変形抵抗

材料が塑性変形をおこす際の限界応力。温度および変形速度によって異なり、この値が大きいほど加工が難しくなる。熱間加工域では、工業用純チタンとステンレス鋼との差はあまりないが、チタン合金では鉄鋼材料にくらべて大きく、より能力の大きな加工機械を必要とする。しかしチタン合金の変形抵抗は、ひずみ速度による影響が大きく、プレス速度を小さくすることにより、鉄鋼材料と同様な加工が可能になる。この特性を利用し、チタン合金の薄肉・複雑形状部品製造用に恒温鍛造の技術が開発されている。

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バウシンガー効果

[Bauschinger effect]
金属材料に弾性限以上の引張応力を加えて塑性変形させた後,逆方向に応力を加える,すなわち圧縮応力を加えると,加工硬化しているのにもかかわらず,2度目に引張応力を負荷したときに示すであろうはずの弾性限よりもはるかに小さな応力で塑性変形する現象。その原因には諸説あるが,圧縮応力による変形の場合,引張応力による変形プロセスの逆をそのままたどるのではなく,むしろ駆動力になる成分が加わるとして説明されている。この効果は,材料の動的な機械的性質である疲労と密接な関係がある。

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ホットダイ鍛造

金型温度を約50℃以上に加熱して行う型打鍛造。通常の型打鍛造の金型は200~400℃に加熱するが、それ以上の温度に加熱する。恒温鍛造ほどには加熱しない。 ホットダイ鍛造は、チタン合金の型打鍛造において変形抵抗が高く冷えやすく割れやすいので、それを解決するために考えだされた。恒温鍛造は金型温度を材料と同じにするので金型や装置費用が大変であるが、ホットダイ鍛造は通常より高い金型温度で鍛造しやすく、加熱回数を少なくできコストを低減する。
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表面処理

材料表面をある目的をもって処理すること。チタンの表面処理は、目的により意匠性・耐摩耗性・耐食性表面処理がある。処理した表面の状態により、酸洗またはブラスト処理などのように表面は母材と同じで表面状況を変える処理、窒化などのように表面の材料を反応などで変える改質処理、電気めっきのように材料表面に他の物質を密着させる皮膜処理(コーティング)がある。
 チタンの表面仕上げには、酸洗仕上げ(ダル仕上げ)・真空焼なまし仕上げ・ブラスト仕上げ・エッチング仕上げ・鏡面仕上げなどがある。表面改質には、陽極酸化・大気酸化・窒化・イオン注入などがある。皮膜処理には、CVD法・PVD法・塗装・PdO/TiO2など貴金属コーティング・電解めっき・肉盛溶接・溶射などがある。

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深絞り成形

板状素材の成形加工の一つ。ダイの上に置かれた板をポンチにより穴の中に押し込み、フランジ部が縮み変形を受けながら材料が流入して、ポンチ形状に成形する加工。深絞り性を定量的に表すのに限界絞り比がよく使われる。限界絞り比LDRは、各種の直径をもつ円盤状素板を、直径dのポンチで穴の中に深絞り成形し、破断なく絞り抜ける最大素板直径をDとすれば、その比D/dで表す。純チタン板の深絞り性は、非常に優れており、普通鋼やステンレス鋼よりよい性質を示す。LDRで比較すれば、純チタンの1種は2.7。アルミニウム2.0。銅2.0である。純チタン板のすぐれた深絞り性は、純チタンの高いr値と密接な関係がある。高いr値の材料では、フランジ部の縮み変形が容易となり、逆に側壁肩部の板厚変形がしにくく、ポンチ穴への材料が流入しやすくなり、深絞り性が向上する。カメラボディや各種容器など、チタンの成形加工ではもっとも多く使用されている。

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非金属介在物

[non-metallic inclusion]

一般的には、金属材料の製造過程で混入・生成し、除去されずに介在してしまった酸化物・窒化物・硫化物などの第二相。一種の材料欠陥とみなされている。チタン材料における介在物は、他の金属材料にくらべて、やや特異な面がある。

チタンで酸素・窒素などの溶解度が大きく、凝固過程で酸化物や窒化物を生成する可能性は少ない。さらに、固相における冷却過程での変態により固溶限が減少して析出する挙動もおこらない。このように、チタンは製造過程で介在物を生成する可能性は低い材料である。一方、チタンは主として消耗電極式真空アーク溶解で溶製され、低い過熱温度と短い滞留時間という溶解条件にさらされる。そのため、原料に一度混入した介在物を低減させたり、高融点添加材料を溶かしこむのは不得意である。介在物の主な成因は、原料に混入・添加したものの溶け残りである。

このように、チタンには他金属にみられる非金属介在物は少ないが、溶解せずに残留した介在物があり、それらはLDIとHDIに分類される。

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比抵抗

比電気抵抗または電気抵抗率ともいう。電気伝導度σの逆数ρ=1/σ。断面積がSで長さが1の物体の抵抗RはR=(1/S)ρとなる。単位は、Ω・mである。純チタンの比抵抗は実用金属中ではもっとも大きく、20℃で47~55×10^-8Ω・mである。

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ビレット

棒より大きい断面積をもち、断面の最大長さより大きい長さをもった中間素材。アメリカの規格ASTMでは、断面積が10322m㎡より大きく、幅が厚みの5倍より小さい材料と規定している。丸ビレットの場合、直径が115mm以上となる。

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フープ

薄肉溶接管用のストリップのこと。ストリップを溶接する前に、輪状にロール成形するのでフープという。純チタンのフープはコールドストリップを目的の溶接管に必要な幅に合わせてスリットしてつくる。

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ピッチ

[pitch]

石炭・石油・木材などの有機物質の乾留によって得られるタールを蒸留したときの釜残渣。石炭からのピッチはコールタールピッチ、石油からのものは石油ピッチといい、石油ピッチは加工されてアスファルトになる。通常単にピッチというときはコールタールピッチをさすことが多い。粘結剤のほか鉄材・木材などの防水・防錆・防腐などのための塗料として用いられる。

チタン製造に関しては、かつて団鉱塩化法で四塩化チタンを製造していたときに団鉱製造の粘結剤として用いられた。

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ビーチャー法

[Becher process]

イルメナイトから合成ルチルを製造する方法の一つ。R.G.Becher らによって開発され、オーストラリアのWestern Titanium 社などで工業化された。

イルメナイトをロータリキルンで加熱し、炭素によってイルメナイト中の酸化鉄を金属鉄の状態にまで還元し、これを塩化アンモニウム(NH4Cl)水溶液中で攪拌しながら空気を吹きこんで鉄を酸化させて微細な酸化鉄として分離除去する。酸化鉄が除去された生成物は約2%程度の薄い硫酸溶液で残留する鉄とマンガンを溶出させ、ろ過・洗浄・乾燥して製品とする。酸化チタン(TiO2)92%程度の黒色合成ルチルが得られる。

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微細粒超塑性

[fine grain superplasticity]

金属材料が超塑性を発現する原因のうちの一つ。数μ以下の微細な結晶粒からなる金属材料を、材料の融点の2分の1近辺の温度で、ゆっくり(10  -2~10  -4  s  -1 のひずみ速度で)塑性変形させた場合、数100~数1000%のきわめて大きな塑性伸びを示す現象。

加工温度での結晶粒の成長速度が遅いことが必要条件である。

 

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ブルッカイト

板チタン石ともいう。酸化チタン(TiO2)の結晶の一つ。埋蔵量は少なく、鉱石としては採掘されていない。

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比重

[specific gravity]

ある物質の密度と標準物質の密度との比。標準物質としては、普通は4℃の水(密度は0.999973g/c㎥)が用いられる。4℃の水の密度はおおよそ1g/c㎥なので、実用金属の比重は、密度と同じ量の無名数として扱う。

 

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パイプ

管のこと。厚肉の管とか、大きい直径の管をいう場合が多い。アメリカの規格ASTMでは、管の寸法に関係なく、復水器と熱交換器用の管をチューブ、それ以外の管をパイプという。

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