カテゴリー別アーカイブ: は行

非鉄金属精錬

[non-ferrous  metals  refining]

銅・亜鉛・ニッケル・コバルトなどの非鉄金属は鉱石を硫酸などで溶解し、その溶液中で電気分解することにより、液中に溶存している目的とする金属を陰極に析出させ高純度金属を得ている。これを電解採取という。銅を除く他の非鉄金属の電解採取では、陽極に貴金属を被覆した純チタン(工業用純チタン)が用いられている。また、二酸化マンガン(MnO2)の電解製法の場合にも陽極材として純チタン板が使われている。硫酸マンガン電解液中で電気分解し、純チタン製陽極板上にMnO2を析出させてつくられている。

高純度の銅は不純物の多い粗銅を2回の電気分解によりつくられている。1回目の電解は銅鉱石を処理した粗銅を陽極にして硫酸酸性溶液中に溶かし、溶出した銅イオンを陰極(母板という)に析出させ、それを母板から剥離して純度のよい銅薄板(種板という)をつくる。2回目の電解では陽極は粗銅であるが、種板を陰極にしてその上に高純度銅を析出させて電解銅を得ている。1回目の電解での母板に純チタン板が検討された。電子工業などで用いられる高純度銅箔は純チタン製ドラムを陰極にして、その表面に銅を析出させてつくられている。チタン表面に析出した銅を剥離しやすいからでもある。

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ピッチ

[pitch]

石炭・石油・木材などの有機物質の乾留によって得られるタールを蒸留したときの釜残渣。石炭からのピッチはコールタールピッチ、石油からのものは石油ピッチといい、石油ピッチは加工されてアスファルトになる。通常単にピッチというときはコールタールピッチをさすことが多い。粘結剤のほか鉄材・木材などの防水・防錆・防腐などのための塗料として用いられる。

チタン製造に関しては、かつて団鉱塩化法で四塩化チタンを製造していたときに団鉱製造の粘結剤として用いられた。

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ビーチャー法

[Becher process]

イルメナイトから合成ルチルを製造する方法の一つ。R.G.Becher らによって開発され、オーストラリアのWestern Titanium 社などで工業化された。

イルメナイトをロータリキルンで加熱し、炭素によってイルメナイト中の酸化鉄を金属鉄の状態にまで還元し、これを塩化アンモニウム(NH4Cl)水溶液中で攪拌しながら空気を吹きこんで鉄を酸化させて微細な酸化鉄として分離除去する。酸化鉄が除去された生成物は約2%程度の薄い硫酸溶液で残留する鉄とマンガンを溶出させ、ろ過・洗浄・乾燥して製品とする。酸化チタン(TiO2)92%程度の黒色合成ルチルが得られる。

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非金属介在物

[non-metallic inclusion]

一般的には、金属材料の製造過程で混入・生成し、除去されずに介在してしまった酸化物・窒化物・硫化物などの第二相。一種の材料欠陥とみなされている。チタン材料における介在物は、他の金属材料にくらべて、やや特異な面がある。

チタンで酸素・窒素などの溶解度が大きく、凝固過程で酸化物や窒化物を生成する可能性は少ない。さらに、固相における冷却過程での変態により固溶限が減少して析出する挙動もおこらない。このように、チタンは製造過程で介在物を生成する可能性は低い材料である。一方、チタンは主として消耗電極式真空アーク溶解で溶製され、低い過熱温度と短い滞留時間という溶解条件にさらされる。そのため、原料に一度混入した介在物を低減させたり、高融点添加材料を溶かしこむのは不得意である。介在物の主な成因は、原料に混入・添加したものの溶け残りである。

このように、チタンには他金属にみられる非金属介在物は少ないが、溶解せずに残留した介在物があり、それらはLDIとHDIに分類される。

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微細粒超塑性

[fine grain superplasticity]

金属材料が超塑性を発現する原因のうちの一つ。数μ以下の微細な結晶粒からなる金属材料を、材料の融点の2分の1近辺の温度で、ゆっくり(10  -2~10  -4  s  -1 のひずみ速度で)塑性変形させた場合、数100~数1000%のきわめて大きな塑性伸びを示す現象。

加工温度での結晶粒の成長速度が遅いことが必要条件である。

 

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比重

[specific gravity]

ある物質の密度と標準物質の密度との比。標準物質としては、普通は4℃の水(密度は0.999973g/c㎥)が用いられる。4℃の水の密度はおおよそ1g/c㎥なので、実用金属の比重は、密度と同じ量の無名数として扱う。

 

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パイプ

管のこと。厚肉の管とか、大きい直径の管をいう場合が多い。アメリカの規格ASTMでは、管の寸法に関係なく、復水器と熱交換器用の管をチューブ、それ以外の管をパイプという。

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バイモーダル組織

[bi-modal microstructure]

等軸α組織と針状α組織の共存する組織。通常、二重溶体化処理をほどこして調整される組織である。α-β二相共存温度域の高温側で溶体化処理をほどこした後、低温側での溶体化処理をほどこす。前者の処理により等軸α、後者の処理によりβ相内で針状α相の析出が生じ、両組織の共存する組織が得られる。この組織への制御により、亀裂の発生と伝播に関連する両特性の同時改善が可能になる。

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バウシンガー効果

[Bauschinger effect]

金属材料に弾性限以上の引張応力を加えて塑性変形させた後,逆方向に応力を加える,すなわち圧縮応力を加えると,加工硬化しているのにもかかわらず,2度目に引張応力を負荷したときに示すであろうはずの弾性限よりもはるかに小さな応力で塑性変形する現象。その原因には諸説あるが,圧縮応力による変形の場合,引張応力による変形プロセスの逆をそのままたどるのではなく,むしろ駆動力になる成分が加わるとして説明されている。この効果は,材料の動的な機械的性質である疲労と密接な関係がある。

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破壊靭性

[fracture toughness]

亀裂をもつ材料の,破壊に対する抵抗力を破壊靭性といい,これを定量的に表すパラメータを破壊靭性値という。金属材料では,内部に亀裂が存在すると,材料に平均的に作用する応力が降伏応力以下であっても脆性破壊が発生し,その発生条件は,破壊時の亀裂長さCcと応力σfで定まるKc=σf√πCcで与えられる。このKcが脆性破壊の発生を支配する材料定数で,破壊靭性あるいは臨界応力拡大係数とよばれる。

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[foil]

フォイルともいう。板厚が0.2mm未満の極薄板。 純チタンおよびβ合金の箔は冷延により製造可能であり、10μm以下の厚みの箔が製造されている。 カメラのシャッター膜には1960年代から採用されており、音響製品の振動板などの用途がある。

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発色

[coloring]

材料の表面が色を出すこと。チタンの表面に大気酸化法・陽極酸化法により酸化皮膜をつけると、膜の厚さにより種々の色が発色する。膜厚が薄い方から厚い方へ、ゴールド・ブラウン・ブルー・イエロー・パープル・グリーン・グリーンイエロー・ピンクの順で発色する。マスキングなど工夫をこらすことにより、複雑多種な色を持つ鴨などの鳥や浮世絵などが陽極酸化法でつくられている。硫酸とフッ酸を組合せた化学酸化法で黒色も得ることができる。チタン窒化物の黄金色はイオンプレーティング・スパッタリング・イオン注入で得られる。

 

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発色性

[coloring  ability]

金属の表面に酸化皮膜を形成させ、種々の色を人工的に発色させることができる性質のこと。発色の原理は光の干渉によるもので、白色光による干渉の場合、明暗の条件が波長により異なるために、皮膜の厚さにより異なる色が発生する。しゃぼん玉や水面上の油膜など、薄膜の色もこの干渉色である。

チタンを陽極酸化させて、表面に薄い酸化皮膜(TiO2)を形成させると、その厚さによって、種々の色を発色させることができる。

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バッチ

[batch]

「一窯分、一塊り」などの意。

現行のクロール法によるチタン地金の製造では、1反応容器ごとにつくられる地金の塊をバッチという。

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バッチ法

[batch process]

容器の単位ごとに進めるプロセス。連続法と対比される。現行のクロール法によるチタン地金の製造では、還元・真空分離などの工程は連続化が困難でバッチ法によっている。一般にバッチ法は連続法にくらべ生産効率が低いので、これらの工程の連続化は、コストダウンのための大きな問題である。

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張出し成形

[stretch forming]

板状素材の成形加工の一つ。面内で2軸引張りを加えて成形する方法。板の周囲を固定して、ポンチや液圧で表面積をふやし、ポンチやダイの形状に成形するので、周辺部から材料は流入せず板厚が薄くなる。

一般に、加工硬化が大きい材料は張出し性にすぐれている。張出し性は通常エリクセン値で評価される。

純チタンの張出し成形は、チタン全需要の約5%であるプレート式熱交換器板に使う。純チタンは加工硬化が小さいので張出し性はステンレス鋼ほどよくないが、純度を上げることや結晶粒を大きくすることにより改善できる。

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半導体

常温での電気伝導度は金属に比例するとはるかに小さいが、温度が高くなるにつれて増加し、高温ではかなり大きな値となる物質。電気伝導度が導体と絶縁体の中間に位置することからこの名前がつけられた。半導体では、熱エネルギーによって、価電子帯の電子が 励超されエネルギーギャップを飛びこえて伝導帯に移りその結果、伝導帯に移った電子と、価 電子帯にできた正 孔とが電荷のキャリアとなって電流が流れる

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反応容器

[reaction retort , reduction vessel]

そのなかで化学反応などをおこさせる容器。種々の製造業で各種の反応容器が使用されている。

チタン地金の製造では、クロール法の工程で、反応容器を使用する。生産性向上などのため、近年この反応容器は大型化され、1容器で4~10トンのチタンを製造できるものが主流になっている。形状・寸法・材質・使用温度などはつぎの通り。

形状は円筒形で底部は半球に近い形、上部は脱着可能で密閉化可能の蓋つき。寸法は10トン用で内径約2m、深さ約5m、肉厚約30mm。材質はオーステナイト系ステンレス鋼が主流。使用最高温度は約1050℃。

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非磁性材料

[non-magnetic material]磁性を示さない材料。正確には、強磁性材料の反義語で、常磁性体と反磁性体とをふくむ。チタンはα相、β相のいずれも非磁性で、すべてのチタン合金が非磁性材料である。そのため、強磁場中で強度を必要とする用途に適している。

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ビッカース硬さ

対面角が136°のダイヤモンド製の四角錐圧子を用いて、これを一定荷重で試験片に押し込み、逆ピラミッド型のくぼみをつけたときの、荷重Fと永久くぼみの面積Sとの比F/Sで定義される硬さ。硬さの記号はHv。なお、JIS規格には、試験荷重は50gfから50kgfまでが規定されており、荷重が50gfから1kgfまでのものはマイクロビッカース硬さとして区別されている。

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